ヨーグルトとチーズとナンとパン
イランの食糧事情。ベーシック編。
イランの乳製品の充実度といったらそれは日本とは比べ物になりません。
乾いたこの大地に、牛がいるところを、農場をみたことがないのが不思議なぐらい。
まずは牛乳。
各地方に3,4銘柄を揃え、それぞれ乳脂肪別に商品を揃えています。
銘柄によって微妙に味が違うのがポイント。そしてお店でも日によって仕入れる銘柄が異なるのもポイント。
ヨーグルトの種類はもう数えきれないほど。
メーカーで数えると数十社。そこに家庭でつくりました、的な。簡易容器に入った無名のものを入れると、小さな商店でも常時10種類程の品ぞろえ。
基本はプレーン。
それにエシャロット、ガーリック、ハーブ等々を加えたフレーバーヨーグルト。
そして何より人気なのがヨーグルトドリンク。
基本ヨーグルトはご飯の時に一緒に食べるもの。
なので、甘いデザートヨーグルトはあまりみかけません。
酸味と塩加減、口当たりで自分の好みのものを探します。
サフランライスに少しのドライチェリー。トマト系の味に似こまれたチキンにヨーグルト。一緒に食べると、そこには新たな味覚の世界が広がっています。
そして、それを上回る数を揃えるのがチーズ。
クリーム、フェタ、モツァレラとかだけではありません。
味、硬さ、口当たり、塩加減に水加減。
朝用、昼用、おやつ用に晩御飯用。
朝用だけで20種類程。
つまり80種類程のチーズが常時スーパーにはおいてあり、それぞれの好み、気分によって食べ分けているわけです。
フルーツと一緒に食べることも多く、スイカとチーズ。ブドウとチーズは絶品。
カラカラの体にみずみずしい果物とチーズの塩気が一日の終わりに心身ともに癒してくれます。
それにからんでくるのが主食。
パン。ナン。粉ものたち。
一区画にひとつはパン屋さんがあるほど、焼き立て、できたてのパン、ナンにこだわるイラン人。
それぞれのナン屋さんには特徴があります。
ナンの硬さ、大きさ、小麦の分量と種類にトッピングの種類。
そして最も特徴的な違いが石窯の種類。
いまだに火を使う本格的な石窯を使っているナン屋さんが多く、また小石を敷き詰めた昔ながらの石窯を使っているところも。
大きさはだいたいA3用紙二枚分程度。
それを一回に5枚も6枚も買っていきます。
どこのナン屋さんも朝6時頃から夜の12時頃まで休まず営業。
自分の頼んだ分だけ、その場で焼いてくれ、そしてそれを自分で好みの大きさに切って持ち帰ります。
日本でいう食パンはあまりメジャーではなく売っていても味はそこそこ。
いわゆるナンがイランでいうパン。
そしてパンというとホットドッグの形状のものやフランスパンのような形状のものを指します。
そのパンたちは。それはそれはまた美味。
フワフワしっとり触感のものから、外はカリッと。中はふわっと。小麦の味わいたっぷりのパンまで種類は豊富。
日本のように香料を使っていないからこそ、素材の味そのものを味わうことができます。
外では何かと規制の多いイラン。
そんな中、自由に過ごせる家庭にこそ、本当のイラン料理に出会えるチャンスがあります。