真夜中のピクニック

私の好きな小説のタイトル。

これを地でいくのがイランのピクニック。

家族思い。友達思い。おしゃべり大好き。お茶とお菓子はもーっと好き。

そんなイラン人にとって、ピクニックはコミュニケーションをとる大切な場でもあり、生活の一部でもあります。

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イランの夏の昼間はそれは暑くて。

いや、今考えると東京の夏の方が暑くて何倍も不快だと感じるのだけれども。。

それでも暑さをなんとか避けて生活をしたいイラン人。

日中、人が消えます。文字通りのゴーストタウン。

動いているのは車だけ。歩いている人はほぼいなく、それはまさにシャッター商店街。太陽のまぶしい日差しにてらされて、砂ぼこりの舞う様は、それは廃墟に迷い込んでしまったようなそんな気にすらなります。

時間がすぎ、夕暮れ時。

18時を過ぎた頃からシャッターの開く音が聞こえ始め。

どこからともなく人々がやってきて。街は息を吹き返す。血が通う。

 

色が甦る。

 

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日没を過ぎた頃、街はそれまでと全く違う様相。

歌舞伎町に勝るとも劣らない照明。色とりどりに着飾った人々。

 

街のあちこちにある芝生では、絨毯とお茶とお菓子を持ち寄ってピクニック。

え、こんなところでも、というところでも。

いたるところでピクニック。

 

そう。高速道路の脇の芝生でも。

幹線道路の真ん中の芝生でも。

 

みんなで円になって、時間を、涼しい空気を楽しむ。

日中のうっぷんをはらすように、外を楽しむ。

 

そこにはくったくのない笑顔と、リラックスした空気と。

子どもたちの走り回る姿と、それを見守るあたたかい空気が流れます。

 

赤ちゃんも子どももおばあちゃんもお父さんも。

カップルも友だち同士でも。

毎日深夜1時過ぎまで。

 

そこには平和な時間とまろやかな空気と、

喧騒と、そして少し残った日中の暑さが入り混じった。

それがイランの真夜中のピクニック。

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